α7C/α7IIIをレンタルした話
概要
結果的には買わなかったのだが、2つめのフルサイズ機としてSONY機を検討する機会があり(FYI2台目フルサイズが欲しい話)、第三世代のα7IIIを試してみた。
第三世代の自動転送機能を試した結論でいうと、いくらか安定化・高速化したり、運用でカバーできた部分はあるものの、SONYのカメラをレンタルしたで出した「微妙に使い勝手わるい」っていう結論は変わらなかった。しかし一方で別の調査でα9と第四世代に付いてるFTP自動転送が便利そうという話があり、第四世代のα7Cをレンタルして使い勝手を調査して運用パターンを確立したのでその話を後半にする。
前提知識
私が求めているのは全自動でカメラで撮った写真をスマホに転送する機能であり、撮影したらできるだけすぐにTwitterに上げるにあたって最もストレスのない形がそれだと思っているからである。そのような使い方をするにあたってα7Cとα7IIIがどの程度使い勝手がいいかという調査をするのが今回のカメラレンタルの目的である。なのでそれ以外の運用をするにあたっては結論が異なる可能性が勿論ある。
また、現状私がNikonのZ6を運用しており、これがスマホに自動転送する機能が最も優れていると感じているので、所々で違いを述べる。
Imaging Edge Mobileの転送
SONYのカメラには現状、自動同期に類する機能はFTP自動転送しかなく、FTP系機能を除くとImaging Edge Mobileを使ってWiFi同期する機能がある。この機能を起動する起点として、NFCで欲しい写真をタッチする(1枚のみ)、MENUから一括転送する、スマホから接続を行う、の3パターンがある。
NFCは1枚だけ送るなら最速で、SONY機のウリともなる機能だが、NFC対応スマホがいる上に、撮った写真を片っ端からTwitterに上げるような使い方はむずかしい。WiFiの接続確立には時間が掛かるからである。非NFCでも、写真閲覧の画面からそのまま転送することは可能である。
MENUから開く場合は全部転送・日付から選んで転送ができ、転送済みの写真の除外ができる。おそらく自動転送っぽいことを場合はこれが一番便利で、ただやはりSONY機はMENU画面が使いづらいのもあり面倒くさい。(SONY機に限らずMENU画面は最後の手段だが、SONY機はその中でも使いにくい部類に入る)
スマホから接続をするパターンもあるが試していない。いくつかあるが、SONY機は電源を切った場合接続できなくなる(最近のカメラは電源を切ってもBluetooth経由でWiFi立ち上げが可能な機種が増えている)のと、カメラからサムネイル画像を取得する必要がある関係で、カメラ側で転送対象選ぶよりも面倒くさいのが明らかだからである。
FTP転送の仕様
FTP転送は最低でも第三世代にはあり、第二世代は未確認である。ただし前述の自動転送ができるのはα9以降である。FTP転送も転送先がFTPサーバになるだけで写真閲覧画面から1枚転送、MENUから一括転送が選べる。転送済写真の除外もできる。SFTPに対応しているが、FTPをインターネット経由で使うのは若干の不安もあり、手持ちの何かしらの端末にFTPサーバを立ててWiFiで接続するような流れが一般的だとおもわれる。
α7IIIの話

α6600を試した頃との比較でいうと、機能面ではあまり進歩はないようにみえるが、全体的にレスポンスがキビキビしている。おそらくWiFi接続確立の時間はZ6よりも早いので、使い勝手は確実によくなっている。また、転送速度も非常に早く、FINEのJPEG程度なら3秒ほどで転送が終わる。Z6との比較でいうと、オリジナルのJPEGが欲しいならこっちの方がいいかも、と思わせるレベルではある。転送失敗もほぼ無かった。しかし自動同期ではないし、電源落としても転送を継続する機能などはない。
α7Cの話

上記に加えて自動FTP転送機能が付いた。FTPであれば汎用的な規格なので、端末側の工夫で受け取った後の処理も自動化でき、自由度はかなり高い。しかしスマホで運用する場合は色々な制約が付き纏う。後半はその話をする。
FTP自動転送の運用
出先をFTP転送するのにまず必要なのは、カメラがWiFiで繋ぐ先のアクセスポイントだが、スマホでテザリングをONにすればAPが立ち上がるのでそれを使うことができる。そのスマホ内で写真を受信する用のFTPサーバを立てればカメラから写真を転送することができる。
まずiOSはおそらくFTPサーバを立ち上げることができないので、Androidに限定される。そしてAndroidはファイルにMIMEタイプが付いており、転送されてきたJPEGファイルに画像フラグを付ける必要がある。そうしないと何故か画像ビュワー系アプリから認識されない謎の画像ファイルになってしまう。この条件を満たすFTPサーバアプリとして”WiFi FTP Server”というアプリがあり、転送先のルートフォルダを写真に設定。あとはユーザ名パスワードを適切に設定すればサーバの準備は完了。
カメラ側の準備としてまず無線LANをスマホに接続し、次にFTPサーバの接続先設定をする。このときの接続先IPは先程のアプリから見ることができるが、残念ながらテザリング時のスマホのIPアドレスが毎度異なるため、テザリングを起動しなおすたびにこの接続先IPアドレスを書き換える必要がある。
あとは写真を撮るだけで自動でスマホに転送されていく。もし撮影後すぐに電源を切ってしまった場合も特に自動再送はしないので、転送済みを除外して一括転送などで持ってくる必要がある。写真を撮った後は、FTPアップロードが終わるのを画面で見てから電源を落とす必要がある。
他の問題点として、テザリングは接続している端末が無いと自動でOFFになるためその対策(設定を変える、他のスマホを繋ぐなど)が必要になる。
勿論FTPサーバとテザリングが常時起動しているのでものすごい速度でAndroid機のバッテリーが減っていく。
まとめ
このように、α7Cで念願の自動転送ができるようになり、夢はかなり広がるのだが、実運用としてはまあまあ辛いことが多く、結果的にNikon Zの方が便利だねーとなったので2台目のフルサイズもNikonでいくことにしたのが結論。